2.3.16
四日市宿より亀山宿へ廿二キロ
今日も歩く距離は短い。十分な睡眠をとりすっかり元気に出発する。
四日市あすなろう鉄道内部線に沿うように歩いてゆくと、日永追分にたどり着く。
ここは東海道と伊勢街道との分かれ道。鳥居を正面に見て右が東海道左が伊勢街道となる。江戸からお伊勢参りに来た旅人はここで左にそれてゆく。
日永追分を右へ東海道をそのまま進む。
ほとんど国道一号線と同じ道を行けば四十四番目の石薬師宿に着く。
本陣跡もきれいに残る。ここは国文学者であり歌人の佐佐木信綱の生まれ故郷。宿場のいたるところにゆかりの碑が設けてある。
連続テレビ小説「花子とアン」で一躍有名になった村岡花子も佐佐木信綱のもとで和歌を学んだそうだ。
石薬師宿の名のとおりここには薬師如来が安置された石薬師寺がある。
名前の由来は少々長くなるので省略する。立派な寺で弘法大師像も安置されている。
江戸時代参勤交代で通る城主が道中の安全祈願をした場所としても有名である。
この宿場を出て畑の真ん中を通てゆくとほどなくして四十五番目の庄野宿が見えてくる。
油問屋だった旧小林邸。現在は庄野宿の資料館となっている。
今まで通ってきた宿場の中でも特に道幅が狭く、江戸の時分からあまり変わっていないように想像される。
鈴鹿川の支流安楽川を渡りしばらくすれば四十六番目の亀山宿に着く。
別名を胡蝶城と言い優美であっただろう亀山城も、廃城令によって取り壊され今はその姿を拝むことはできない。
今夜はここで泊まり、明日の難所へ身体を備える。
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